仮眠時間も労働時間だ!
2002年2月28日、最高裁で、ビル設備管理労働者の仮眠時間は労働時間である、という判決が出されました。仮眠室待機、警報や電話への応対、外出禁止、等が義務づけられている仮眠時間は、使用者の指揮監督下にあり、労働時間にあたる、という主旨です。
しかし、多くの職場では、良い方向には何も変わっていない、のではないでしょうか。
基本的には、該当職場で、過去分の未払い分も含めてきちんと請求し、会社やビルオーナーが真剣に対応を考えざるを得ないようにしたり、行政にきちんとした指導をさせなくては、判例など全くの紙くずです。
ビルメンの中でも、仮眠のある勤務と無い勤務、またビルメンテナンス職種以外で該当する様々な職種でも、現在の職種別賃金水準の違いによって、受け止め方の切実感がずいぶん違うのではないかな、と思えます。
判例を実現させるために、仮眠時間問題についてもう一度考えてみようではありませんか
”泊り裁判”の各判決文、和解内容
下町ユニオンでの闘い
下町ユニオン(すみだユニオン)では、都内のある設備管理職場で仮眠時間分を請求して闘い、客先から委託費の増額が無い中で、暫定的な和解として過去の未払い賃金の一部清算とこれからの当直手当(泊り手当)の増額を勝ちとりました。
2003年12月 ( T分会 )
その闘いを紹介します。
仮眠問題への各地の闘い
全国にはいろいろな職種で仮眠時間が労働時間であるとして闘っている人々がいます。その一端を紹介します。
会社側の弁護士の弁
東京ビルメンテナンス協会では2002年6月24日に判例解説セミナーとして「泊まり裁判」最高裁判決の解説を、裁判で会社側の代理人だった弁護士さんを呼んで開催しています。(今後の業界の対応方法について、会社側の立場から提案もしていましたので、その部分を近日中に紹介予定)
ビルメンだけではなく、泊まり勤務の人に共通の問題
この仮眠時間問題はビルメンテナンスだけの問題ではありません。
施設で介護をする労働者の泊まり勤務でも、「仮眠」とされている時間帯に実際には多くの作業が発生しています。グループホームでの老人介護を夜間たった一人で対応している例では、ウトウトしたと思うともう次のコールで起こされる、といいます。
消防士については、 156 参議院 総務委員会 9号 平成15年04月01日
で、
自治労出身の議員により質疑が行われていたようですが、あやふやな答えに終始しています。
厚生労働省はどう対応している
連合ビルメンテナンス連絡会では、2003年4月に厚生労働大臣宛に要請書を提出しています。内容は、ビルオーナーやビル管理会社に対する通達等の行政指導を求めるものでしたが、厚労省の回答は、仮眠時間は以前から労働時間として判断しており、新たな通達は必要ない、というものだったそうです。